ただ一点だけをじっと見つめている、私の耳に入った言葉。


それは、どう理解すれば良いかがわからないものだった。


「ねぇ……赤いの、ちょうだい」


その言葉の後、目の前で健司から血が噴き出して……。


なぜ、「赤い人」が健司を殺したのかわからないまま、私は死んだ。