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私が幼い頃、母親の富子は一人っ子の私にいやというほど愛情を注いでいた。


買い物へ行くときも、友達と遊ぶときも、部活動だって、通学路だって、すべて母親が決めて母親がいいと思う方へ連れて行かれた。


「ごめんね、この子体が弱いからお母さんと一緒じゃなきゃダメなの」


本当はちっとも体が弱い事なんてないのに、母親はそう言って私をそばに置いていた。


小学生の頃、どうしてもお菓子を食べたくて母親の目を盗んで、一口クッキーをかじった。


けれど、それはずぐに母親にバレてしまい、私は初めて怒られた。


「どうしてお母さんのいう事を聞けないの!」


と、母親は泣きながら私を見つめてた。


それを見た私は、本当に自分が悪いことをしたのだと思い、深く反省したのを覚えてる。