あたしはびっくりして、龍に助けを求めるように視線を向けた。

それに気づいた龍は、あたしと遥斗君を引き離した。

「綾菜が困ってんだろ」

遥斗君はしぶしぶといった様子であたしから離れた。

「さ、帰るか」

「そうだね」

龍がカバンを持って立ち上がると、あたしと遥斗君もイスから立ち上がった。

「そういえば、僕がいない間、何してたの?」

「何もしてないよ。ただ話してただけ」

「そのわりには、綾ちゃんの顔が赤かった気がするけど?」

そんな会話をしながら、あたし達三人は仲良く教室を出た。