「あ!」


私が気づいた時には、もう遅かった。


「ねぇ……赤いの、ちょうだい」


真っ赤に染まった少女が、笑いながら私を見たのだ。


そして、その次の瞬間。


私の頭が床に転がって……首から上が無くなった、自分の身体を見つめていた。


あぁ、そうだった。


「赤い人」を見たら、振り返っちゃダメなんだった。



じゃあ今、全員振り返ったから、皆死んじゃったんだ……。


それに気づいたのは、私が死んでから。


最後に見たのは、楽しそうに私の身体を引きちぎる少女の姿だった。