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「もう、陽菜のせいだからね」


散々騒いだ私たちは先生に怒られ、校舎の周りをぐるっと10周して来いなんて言われてしまった。


「ごめんって。でも葵(あおい)まで一緒に走らなくてよかったのに」


「だって、私も横にいたし。それに2人より3人の方が楽しいでしょ?」


そう言って微笑む葵も、同じクラスの友達で、私と美雪と葵は3人でいることがほとんどだ。


「陽菜はね、毎日毎日、『和希くん、和希くん』ってうるさいんだって」


美雪の言葉に私はちょっと膨れてみる。

だって好きな人はいつ見たってかっこいいんだから仕方ない。


そんなことをしてると、黙っていた葵が珍しく口を挟んだ。