あたしは部屋を出ると、一階のリビングへと向かった。



「あら、姫乃今日は早いのね。」



お母さんが朝食をテーブルに並べながら、声をかけてきた。




「メイドさん達に起こされたの。」




「あっ、そういえば来てたわね。」




…そういえば…って……




お母さんはほんとにマイペース。




「あ、お父さん。
今日も本家で仕事なの?」




お父さんは新聞を読むのをやめ、コーヒーを口にした。




「あぁ。
でも、仕事は午後から行く。
姫乃の入学式を優先するよ。」




両親はどんなに忙しくても、必ず入学式や卒業式に出席してくれた。




あたしのために時間を空けてくれる…




「ありがとう!」




あたしは二人に微笑んだ___……