その表情がすごく素敵で毎日見惚れてた。


でも、彼の整った顔をあたしだけが見惚れるはずもなく、少しずつ乗り込んでくる女の子たちの間で彼はかなり評判になっていた。




そのうち、彼の周りを何人もの女の子が囲むようになってあたしは話しかけるきっかけをすっかり失ってしまったんだ。




でも、8つめの停留所まではあたしと彼しか乗っていない。


だからあたしは4つめの停留所で初めて彼に話しかけた。


忘れもしない、初夏のこと。