「さっきよりは良くなったな」

さっき??

「私が寝てる間にも聴いたの?」

「聴いたよ。奏が隠すから。奏が隠すことなく、正直に言えるのはいつになるんだろうな」

私は何も答えなかった。

「ゆっくり寝てろ」

彼方は私の頭をなでた後、ずっと手を握っていてくれた。