スッー……。

もぞもぞともがいていると、
襖の開かれる音がして、
1人の男が現れた。


「あ、目が覚めたみたいだね。」


━━━ コイツは確か、昨日の…

昨晩の事を思い出した陽凪は、
男を睨んだ。


「そんな怖い目でみないでよ。
ちょっと一緒に来てくれる?」

そう言うとそいつは
私を縛っていた縄を解いた。
…手首の縄は解かれなかったけど。

一瞬このまま逃げようかと考えたが
その男の背中から発される殺気に
気がついた陽凪は、
とりあえずそいつに着いて行く事にした。