「嬢、ちょっといいか?」



さっきまで黙っていた遥は口を開いた



『ん?いい・・けど??』



私が遥に返事をすると翼が離してくれてなにか察したように"いってらっしゃい"と優しい笑顔でそう言ってくれた



そして私は無言で遥についていった













つくと、そこは高級マンションの向かい側の小さい公園だった



「座ろうぜ、嬢」



遥はブランコを指差し、左側のブランコに座った



遥の長い足にとても不釣合いなブランコ



私は遥の隣に座り、キーキーという不気味な音をたてながら小さくブランコを動かした






「昔話、してもいいか?」



私はうん、といい頷くと遥は懐かしそうに・・・そして儚げに口を開いた