秋子にそう言うと、誠は二階へ上がって自分の部屋に入った。

「危なぁ…」

誠は机の前に座ると、ため息をついた。そのとき、時計が目に入る。

午後、8時。

寝るには、少し早い。かと言ってテレビや漫画を読む気分には、なれなかった。

「麗菜…」

麗菜の事で、頭がいっぱいだった。


……なんでや…なんで、こうなるんや!


今すぐ外に出て、麗菜と交代したかった。

「あ……」

そのとき思いつく、一つの考え。


……そうや…交代……


日記で、麗菜の罪を消すことはできない。でも立場を交代する事なら、ルール破りになるかもしれないが、できるかもしれない……

誠は、すぐに日記帳を開いた。

「あ……」

そう言えば、明日の日記はすでに書いてしまっていた。一日一つしか書けない以上、今日はもう書くことができない。

「しゃーない…明日、書くか……」

誠は布団に転がると、目を閉じた。

……麗菜。お前が、苦しむ必要ないんや。これは、俺の問題や。

「今日だけ…今日だけ、我慢してくれ…」

そう呟いた誠は、野宿する麗菜の姿を思い浮かべながら眠りについた。