「景……」
「うわっ!?」
景の手を引いて、ぎゅっと抱き締める。
「ちょっ……律樹、離して！誰か来たら――」
「何があっても好きだから。」
「………律樹？」
「景のためなら何だって出来る。だから、俺を信じてくれるか？」
腕の中で抵抗をやめた景は、俺の背に腕を回した。
「……やっぱり何かあった？」
「…………」
「言いたくないならいいよ。僕は、律樹を信じてるから。」
景の顔を見下ろせば、優しい微笑みに見上げられる。
「僕だって律樹のためなら何でも出来るんだよ。ちゃんと知っててね。」
「………そっか。」
この愛しい温もりのためなら、
守るためならば、
俺はどんな事だって出来る。
「絶対守るから。」
誓いの意味を込めて、景の柔らかな唇にそっと口付けをした。
