「これは社長命令ですので、

お気になさらずに」


「き、気にしますよ!

社長の車で会社になんていけません。

それくらい、綾野さんにもわかると

思うんですけど?」



「もちろん承知の上です。

会社近くで車を止めますから、

そこからは歩いていかれたらいいと」

そう言うと、

強引に私を後部座席に

押し込んだ。

・・・

どうやら観念するしかない。

このビップ待遇に、

どうしていいか、戸惑うばかり。

・・・

会社近く、

会社の社員達に見つからないような場所で、

綾野は車を止めた。


「・・・ありがとうございました」


「毎朝、お迎えに参りますので」

「けっこう「早乙女さんに、拒否権はないと、

社長から言われてますので、

これからも続けます」