朝から、清々しい顔を見せる青空。
今日も気分が良いのか、太陽も顔を出している。
私が住む春桜町(しゅんおうまち)。
此処は、名前の通り春になると桜の名所となる町だ。
今は4月。桜のシーズン、真っ只中。
ありとあらゆる所で桜が咲き誇り、見ているだけで暖かくなってくる。
・・・・そんな呑気な空気など、私は楽しめていなかった。
今日は、私の通う中学校の始業式。
春桜中学校の最高学年となり、
色々とよく分からない責任と緊張感に襲われ、
昨日は何故か一睡もできず、
今日を迎えてしまったのだ・・・・・・。
中学校の校門をくぐり、“桜で埋め尽くされた様な”色の校舎を見つめる。
嗚呼、私もいよいよ、中学三年生になったんだな。
そう感じさせてくれる気がした。
そのまま前へ進むと、昇降口の前にある掲示板に目を移した。
【 春桜中学校 第三学年 クラス表 】
と書かれた紙には、第三学年の生徒たちの名前がびっしりと書いてある。
その中から、自分の名前を探し出すのは、ちょっとしたイベントだ。
「深里 春香、深里 春香っと・・・・・・」
私の苗字「深里」は、結構珍しいので見つけやすい。
その為、毎年のこのイベントが、すぐ終わってしまうのだ。
相沢・・・・・加藤・・・・・佐川・・・・・橋本・・・・・
定番の苗字が並ぶ中、ちょっとだけ浮いた「深里」という苗字が。
「・・・・・あった。」
今年も、すんなり見つけてしまった。
毎年の楽しみが、すぐ終わってしまうとは・・・・。
私の名前が書いてあったのは【 A組 】の一覧だった。
仲良しの友達グループは・・・・【 D組 】。
私の彼氏は・・・・?
と探していると、
「おはよ、春香!」
そう呼ぶ声が聞こえた。
「あ、冬彦? おはようっ!」
・・・・・渡部 冬彦。
彼が噂の(?)、私の彼氏である。
「冬彦、何組だった?」
「え、俺?俺は・・・・・」
中一、中二と、同じクラスだった。今年も、同じクラスだと良いな・・・・・。
・・・・・ちょっとした沈黙の後。
「・・・・・俺、B組だ。」
「・・・・・
え?」
えぇぇぇぇぇー!!??
「え、嘘でしょ、そんなっ!
私、冬彦と違うクラスになったら生きれないよ!」
「そんな大げさに言うなって・・・・。
隣のクラスなんだから、遊びに来れば良いだろ?
そんなに慌てんなよ。」
私にそう言うと、いつも通りの暖かい笑顔を向けてくれる。
・・・・慌てまくる私を落ち着かせるような、彼の優しい声。
これに、いつも安心させられる。
上がり症の私にとっては、もうお守りのようなものだ。
・・・・でも、やっぱり違うクラスなのは・・・・。
・・・・・・今年一年。
普通とは違って、なんだか色々な事が起きる気がするのは、
私だけなのでしょうか。
今日も気分が良いのか、太陽も顔を出している。
私が住む春桜町(しゅんおうまち)。
此処は、名前の通り春になると桜の名所となる町だ。
今は4月。桜のシーズン、真っ只中。
ありとあらゆる所で桜が咲き誇り、見ているだけで暖かくなってくる。
・・・・そんな呑気な空気など、私は楽しめていなかった。
今日は、私の通う中学校の始業式。
春桜中学校の最高学年となり、
色々とよく分からない責任と緊張感に襲われ、
昨日は何故か一睡もできず、
今日を迎えてしまったのだ・・・・・・。
中学校の校門をくぐり、“桜で埋め尽くされた様な”色の校舎を見つめる。
嗚呼、私もいよいよ、中学三年生になったんだな。
そう感じさせてくれる気がした。
そのまま前へ進むと、昇降口の前にある掲示板に目を移した。
【 春桜中学校 第三学年 クラス表 】
と書かれた紙には、第三学年の生徒たちの名前がびっしりと書いてある。
その中から、自分の名前を探し出すのは、ちょっとしたイベントだ。
「深里 春香、深里 春香っと・・・・・・」
私の苗字「深里」は、結構珍しいので見つけやすい。
その為、毎年のこのイベントが、すぐ終わってしまうのだ。
相沢・・・・・加藤・・・・・佐川・・・・・橋本・・・・・
定番の苗字が並ぶ中、ちょっとだけ浮いた「深里」という苗字が。
「・・・・・あった。」
今年も、すんなり見つけてしまった。
毎年の楽しみが、すぐ終わってしまうとは・・・・。
私の名前が書いてあったのは【 A組 】の一覧だった。
仲良しの友達グループは・・・・【 D組 】。
私の彼氏は・・・・?
と探していると、
「おはよ、春香!」
そう呼ぶ声が聞こえた。
「あ、冬彦? おはようっ!」
・・・・・渡部 冬彦。
彼が噂の(?)、私の彼氏である。
「冬彦、何組だった?」
「え、俺?俺は・・・・・」
中一、中二と、同じクラスだった。今年も、同じクラスだと良いな・・・・・。
・・・・・ちょっとした沈黙の後。
「・・・・・俺、B組だ。」
「・・・・・
え?」
えぇぇぇぇぇー!!??
「え、嘘でしょ、そんなっ!
私、冬彦と違うクラスになったら生きれないよ!」
「そんな大げさに言うなって・・・・。
隣のクラスなんだから、遊びに来れば良いだろ?
そんなに慌てんなよ。」
私にそう言うと、いつも通りの暖かい笑顔を向けてくれる。
・・・・慌てまくる私を落ち着かせるような、彼の優しい声。
これに、いつも安心させられる。
上がり症の私にとっては、もうお守りのようなものだ。
・・・・でも、やっぱり違うクラスなのは・・・・。
・・・・・・今年一年。
普通とは違って、なんだか色々な事が起きる気がするのは、
私だけなのでしょうか。