俺はカップケーキを食べ終わると、ゴミをきれいに片付けた。

「綾ちゃ~ん、僕にもちょーだい」

綾菜に声をかけたのは新島遥斗。

遥斗は綾菜の左隣の席の男子だ。

「遥斗君、はいどうぞ」

「ありがと~、綾ちゃん」

綾菜が遥斗にもお菓子をあげている。

俺だけの特権だと思っていたのに。

「綾ちゃん、おいしい~。綾ちゃん天才だよ~」

「そんなことないって」

綾菜は頬を赤く染めて、首を横に振っている。

その姿はとても可愛くて、褒めちぎってやりたくなる。