……そうか。
私がいなくなればいいんだ。

そしたらここにいる人達は救われる。




ハハハ、そうだったんだ。
私がここにいるから。
ここにいるからいけないんだ。




いなくならなきゃ。
この場からいなくならなきゃ。




「紗良、迎えに来たよ。」



「……鬼慈志。」




「紗良、こっちにおいで…。」



貴方について行けば楽になれる?




「君はこっちの世界で生きる者なんだよ、紗良。」




あぁ、鬼慈志について行けば楽になれる。




差し出された手に私はそっと手を重ねた。