日常の事なので、

気にも留めていないのだけど。

・・・

よく部下の女子社員に、

睡眠時間もろくにとらないのに、

どうしてそんなに綺麗な肌なのか?

そう尋ねられたことがあった。

皆と変わらない手入れ程度の事だと言ったら、

私の頬を、何度も触り、

驚いていた。

・・・

部下の女子、男子社員達からは、

綺麗な上司で言うことなしと、

陰で評判らしい…

ふと、

窓ガラスに映った自分の顔を見て、

私は納得いかず、

首を傾げた。


「毎日お疲れ様、コーヒーでもどうぞ?」

「あ、ありがとう」

私はその声に振り返る事もせずに、

カップに入ったコーヒーを受け取った。

・・・

宣伝部は、

もう私一人だと思ったんだけどな…

一口、二口・・・

飲み込んだ私の目に映ったのは、

どこかで見たことのある顔…