伏せられた睫毛が長かった。


綺麗な寝顔……。


あたしはしばらく寝顔をベッドの上から見下ろしていた。


すーすーと寝息をたてる翔さんの寝顔が、いつもより幼く見えて可愛い。


うー、き、キスしたい……。


色彩が薄いその唇に触れてみたい。


うん、朝から変態全開だけど。


でも好きな人にキスしたいと思ってしまうのは男の子だけではないのだ。


欲情するし、触れたいって思うし、触れられたいとも…………。


「やばい、ただの変態だわ」


翔さんには絶対知られたくない。


もうちょい近くで見てみたくて、寝転んだままベッドから体を覗かせる。


「わわ、わ……う、わあっ!」


ベッドに乗っかっている部分がバランスをくずして、あたしの体は床に落ちてしまった。