「あ、そうだ。

玲って、いつから実家、帰るの?」


「うーん。
今年は最後の夏休みだし…。

レポートも仕上げなきゃいけないし…。

やっぱりお盆あたりかなぁ。」


「じゃあ…。

休みが合えばさ、どっか旅行でも行こうか。」


旅行会社の前を通り過ぎようとした時、航太は思いついたように口にした。


「旅行?」


「俺、お盆は休めないんだけどさ、その後なら休み取れるから。」


「ほんとっ!!」



二週間振りのデート。



航太は少し日に焼けたみたい。


髪も少し、伸びたのかな。


淡いピンクのシャツに、ベージュのパンツ。

そして、茶色のスニーカー。

航太の柔らかい雰囲気に、ピンクのシャツがよく似合ってる。


実は私も。

今日は、ベージュのショートパンツに、茶系のサンダル。


何だか些細なことだけれど、合わせたみたいでちょっと嬉しい。


「旅行かぁ。楽しみだね。」


「じゃ、どこ行きたいか考えといて。」


「ええっ、私が決めるの…?」