「ええ。私は直ぐにあなたを好きになったわ。あなたがアンドロイドでも。そしてあなたと過ごす内に、人間もアンドロイドも、本質は変わらないんだと思ったの。実際は騙されてたのだけど」

「すまない」

「いいの。今も考えは変わってないわ。自分を誇らしく思うまでは行かないけど、特別に卑下する気持ちも無い。強いて言えば、私は私って事かしら?」

「うん、それでいいと思う。僕にとって、君は誇りだけどね」


タカの笑顔につられるように微笑んだナナだったが、一転して悲しい表情へと変わった。


「タカもアンドロイドだったら良かったのに……」

「えっ?」

「私だけ時間が止まってるみたいで、それが悲しいの」


タカには、返してあげる言葉が見つからなかった。