ガチャンと音を立てて虚しくしまるドアを見つめて


「なぁ、雅人…


俺俳優とかになれそうじゃね?」


ジリッと足音を立てて顔を出した雅人は言った


「そうか?

俺には本当は別れたくねぇ

って顔にしか見えねぇけどな。」


「だって…別れたくねぇもん…」



先に屋上に来ていたらしい雅人にすべて見られていたらしい


「他に方法は無かったのかよ

お前ならもっとうまく事を運べたんじゃねぇの?」


雅人は俺の隣に座りこんだ。


方法なんて分かんねーよ。


「本当に好きな女だと

そいつの幸せを一番に考えたくなるんだな

でも、一緒にいたいって気持ちもその分強くなる


だから分かんね。俺にはこれくらいしか。」


いろんな女と適当に遊んでたって


本気で好きじゃなきゃ全く、意味がない。


「そんな簡単な事も分かんないなんて、

お前って本当不器用野郎だな…。」


雅人は俺にそう呟いた。