「いや……なんでもない。」 そう言って、横田くんは私から体を離した。 離れると同時に、体と心が寒くなる。 「帰るか。昼休み、終わる。」 「……うん。」 横田くんが何を言おうとしたのか、分からない。とても気になる。 でも、聞くのはやめておこう。 今は、抱きしめてくれた感覚を忘れたくない。