夏樹は驚き、

書類を取り返した。


「何するんですか?」



「こうでもしないと、

仕事を止めないだろ?」



「もう少しなんですよ?

これだけ終わらせれば、明日は休みですし、

東条部長は気にせず帰ってください」


「バカ!

部下がこんなところで倒れちゃ困るだろ?

いいからさっさと帰れ」


「海外企画部に勝ちたいんですよね?」


「・・・」


「海外企画部の部長が、

自分の愛する旦那様でも、

仕事ですから・・・

私は東条部長を勝たせてあげたいんですよ。

貴方は確かに私の天敵だけど、

私の上司に変わりありませんから」


「お前って、どれだけお人好しなんだよ」

思わずオレは夏樹を抱きしめた。