ありがとう...って


思ってるけど......。




「おい、お前なんか言えよ。」


俯く私に低い声を投げる織川。



「...別に。言うことなんてないし。」


「常識のねーやつ。」



本当にそう。

織川の言うとおりだ。



なんで私...お礼も言えないんだろう。



最低最悪な奴でも、私を助けてくれたのは間違いないんだし...



「...帰んぞ。」



自己嫌悪に陥っていた私に

教科書1冊も入っていない軽いカバンを渡してきた。




「ボーっとしてんな。早く行くぞ。」

「......は?」

「いいから早く来いって!」


そういうと織川は

首をかしげる私を強引にベッドから引きづりおろした。