「…………。」


シーンと静かになった空間。


私は瞬きを何度も繰り返しながら立ち尽くしていた。


日向君とお勉強…。


お昼休みだけじゃなくて、放課後も時間を共有出来るんだ…。


二人きりで…。




「ひゃああっ!」


頭の中で日向君のことを思い浮かべて、思いっきり大きな声を出してしまった。


熱を帯びる頬に手を当てる。


体中が熱くて、沸騰してるんじゃないかと思うほどだ。


こんなにも心や体が反応しちゃうなんて…。


私、それだけ日向君のことが好きなんだ…。


ドクドクと慌ただしく刻む鼓動。


私は胸元にそっと手を当てた。


放課後は、もっとドキドキしちゃいそう…。


でも、今からとても楽しみ…。


フワリと笑みが零れる。


数学の授業に対する憂鬱な気持ちは、いつの間にか消え去っていた。