「蓮、そんな事をしてないで由美ちゃんを部屋へ連れて行かないと」



「そ、そうじゃん。急がないと悪化しちゃうかもっ」



朔が蓮をなだめるように言うと、何故か陽が慌てだした。



いや、そこまで酷くはないでしょ。



「そうだな」



蓮……そこで納得しないでよ。



そんな心の声が伝わるはずもなく、蓮はまた私を抱き上げて車椅子へと乗せた。



「行くぞ」



「はーい」



陽は待ってましたとばかりに、家の中へと入っていく。



そんな陽に続くように蓮も車椅子を押し、豪邸へと入った。