「は、はぁ〜?多数決…!?…そんなんしなくてもいいし、メンドくさ…てか、そんなにやりたいなら変わりますけど?遥斗が王子やんなきゃ、ミミには関係ない話だしぃ〜」






ジロリと、芦田さんを見据えて菊池さんはそう言い放った。






…てか、私…やりたいなんて一言も言ってないですよ!?






未だに感じる菊池さんの鋭い視線に耐えきれなくなり、私は顔を俯かせる。






「菊池さんがそう言うなら……桜庭さん、人魚姫役お願いしてもいいかな?」








最初は、断ろうと意気込んで顔をあげると、芦田さんが懇願するような表情を浮かべ、そう言っている姿が目に入ってきた。





そんな芦田さんに断る言葉を言う勇気もない私は……






「…………はい……やらせていただきます」






思わず、そう呟いていたのだった。