名残惜しそうな女子たちを後にして部室に戻ると、B組の唐沢 碧(カラサワ アオイ)が傍にやって来る。


碧とは、小学校の頃からの付き合いだ。


「夏綺、お疲れ!今日も大活躍だったな。シュートも見事にキメたし。」


「お前だって、見事なゴールをキメてたじゃねぇか。」


「サンキュ。夏綺の華麗なシュートには負けるけどな。」


ニカッと笑った碧は、俺の脇腹を肘で軽く突いた。


「試合が終わった途端、女子に囲まれてたじゃん。どんどん人気が上がっていくよな、夏綺。」


「何言ってんだよ。お前だって、たくさんの女子に囲まれてたじゃねぇか。」


碧のファンの女子は、結構多い。


いつも元気で明るいし、何より一生懸命サッカーに打ち込んでる姿が、人気の理由だろう。


サッカーしてる時は、すげぇ輝いてるもんな…。


男の俺から見ても、カッコいいと思うぐらいだ。