「亜衣子ちゃん、私は全然、大丈夫だよ?…もう、慣れたし…それに、こんなことを何回繰り返したって、結局私は遥斗くんを嫌いになれないみたい…」






私が力なくそう呟いた瞬間、






「優芽、あんたは頑張ってるよ…それは私が一番よく知ってるからね」






亜衣子ちゃんは、優しく微笑みながら私の腕を掴んだ。






そして、






「よしっ!!今日は、確か巧も部活ないって言ってたし、北川遥斗があんなところで油売ってるってことはバスケ部も部活ないでしょ?なんなら、ついでに涼太も誘ってパアッと気分転換しようよ」






そう言って、私の腕をグイッと、引っ張った。





「…うん、」





亜衣子ちゃんの優しさが、どうしようもなく嬉しく感じる。





たぶん、亜衣子ちゃんがいなかったら私は今でもこんなに笑うことができなかったかもしれない。






私はそう思いながら、亜衣子ちゃんに






「…ありがとう」





と、呟いたのだった。