「…過去はさぁ、やり直したいって思ったってやり直せないんだぜ?」

 お兄ちゃんが、ボソッと呟く。

「……」

「奏太はさ、自殺なんかしないと俺は思う。だって、お前にプロポーズしたばっかりなんだろ?そんな奴が自殺するなんて思えないもんな。―――事故だとしても、なんであんなところにいたのかはわかんねぇけど、けが人のアイツが行かなくちゃいけないような事情があったんだろうな…」

 お兄ちゃんが言いたいことは、よくわからない。

 だけど、私に元気出してもらおうと一生懸命なんだろうな、って思った。

「…お兄ちゃん、ありがと」

 私の言葉に、お兄ちゃんはニヤッと笑って。

「オマエはさ、元気じゃないとな!天国に行った奏太の為にも」

 私は、頷いた。