中に入ってしまえば、熱気にのまれてこっちもテンションが上がってくる。


途中で同じ学校の子に会ったり男子に会ったりして、楽しかった。


「あ、美桜!“恋みくじ”あるよ!ここのって結構当たるんだよね~」


「あー知ってる!やろうよ!」


「いーよ、やろやろ♪」


わたしと美南は心持ちスキップをしながら、長蛇の列へと突っ込んだ。



さすがに噂になっているだけあって、列では女子率が高い。

まあ、ふざけて並んだような男子もいるが。


「あっれー、美南と渕東じゃん。」


名前を呼ばれて後ろを振り向けば、同じクラスの男子がいた。


(あっ…!!桜井くん!!)


わたしの目は、桜井くんに釘付けにされた。


整った顔に、黒くいい感じに天パになっている髪。

物静かそうな目に、それを際立たせる黒フレームのメガネ!


まさに美桜的にビンゴだった。