ケータイ小説 野いちご

もう泣かないよ




 呼ばれたとき、母さんは助かるんだって、私とお兄ちゃんは喜んで病室に入った。

「ありがとう」

 母さんは、私たちの顔を見て、たった一言それだけ言って。

 死んだ。

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 あのときと、一緒だった。

 だから、奏太が「ありがとう」と言ったときもわかってたんだ。

 結末はきっと―――

 「死」だってことは。

 ありがとう、その言葉のあとに皆、息を引き取ってしまうんだ。

 ありがとう。

 その言葉って、とってもツラいね―――。



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