いそいで涙を拭い、扉をあけて

愛しい彼の背中に

叫んだ。

「……雛斗っ!!」

階段を下りていた足が止まって

こちらに振り向く。

「莉愛…?」

「雛斗……。」

「莉愛が追いかけてくるなんて
びびった。」

雛斗はやっぱりおどろいていた。