なるほどね。


うちのお姉ちゃんの料理は絶品なんだ。身内贔屓を差し引いても、すっごくおいしい。


生真面目で、なにごとにもキッチリカッチリ手を抜かないあの性格が、幸いしてるんだと思う。


「あのカフェを盛り上げることができれば、かなりポイントが上がると思うぜ?」


「よし、決まった! それでいこう!」


あたしは景気よく両手を打ち鳴らした。


あたしがあのカフェを盛り上げてみせる。


お姉ちゃんの料理が評判になってお店が繁盛したら、ますますあたしの入り込む余地がなくなっちゃうもん。


「あたしも今日からお店を手伝う。柿崎さんと一緒の時間も増えるし、一石二鳥だもんね」


「え? 行くのか? お前が店に?」


「もちろん!」


「おい、待て! また迷子になったらどうすんだ!」


「大丈夫。行く道はもう覚えたから。たぶん」


「たぶんってなんだよ!? それに帰り道はどうすんだ!」


慌てふためく大地の声は、あたしの心には全然届かない。


あたしの頭の中は、今後の計画でいっぱいだからだ。


頑張るぞ! 絶対お店を繁盛させてみせる!


そして柿崎さんの感謝度アップ。親密度アップ。


そしてそして、愛情度急激アップだ!