「隼人!美海ね、好きな子できたの!」


美海がそんなことを言い出したのは小学校3年生のとき


「へ〜…、どうでもいい」



強がった俺は目をそらした


「うん!だから隼人も応援してね?」


笑顔で頼まれた3カ月後、美海が好きだった男は引っ越してしまったんだ



「うぅ…ヒック…ウェーン!」



もちろん大泣きをしたあいつ


俺は美海の手をギュッと握った



「そんな泣くなよ!


なんつうか、まあ、俺がいんじゃん?」



幼いながら勇気を振り絞って言ったその言葉にあいつは首を横にふったんだ



「バカア…!違うよ〜!隼人はただの幼なじみでしょー?!」