ケータイ小説 野いちご

運命みたいに恋してる。

「この出会いが、ただの偶然なわけないだろ。俺たちの出会いだってきっと運命なんだよ」


 身動きがとれないほどにあたしを苦しめる、『運命』。


 どうにもならない悲しみを与える、意地悪な『運命』。


「自分自身の恋を叶えろ。そうするべきだって、天が言ってるんだ」


 目に涙が盛りあがって、視界が霞んで、ポロポロと頬を伝う。


 グッと唇を結んでも、わなわな震えちゃって、勝手に泣き声が漏れ出してくる。


「もうガマンして泣くな。隠れてひとりで泣くな。一緒に間違った運命を正そう」


 鼻をすすって、唇かみしめて、ヒックヒク泣き声をあげながら、あたしは大地を見上げていた。


 相変わらず心は苦しくて苦しくて、悲しくて悲しくて、いまにも胸が潰されそう。


 ヤケドしそうに熱い感情が、涙になって両目から噴き出して、唇を濡らした。


 でもこの涙の味は、これまで流した涙とは、少しだけ違う。


 少しだけ、少しだけ、心が楽になる涙の味。


 そんな、気がするよ……。





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