はぁ、やっと終わったよ。
「ゆみりん、倉庫行こ!」
「うん」
教科書を隠したであろう女子を一瞥し、陽の後に続く。
一瞬視界に捉えた女子の顔は憎しみに歪んでいた。
……人間ってめんどくさい生き物だな。
感情があるから厄介なことが起こるんだ……まぁそこが良いとこでもあるんだけどね。
「疲れた。でも、明日はこばちゃんの授業ないからゆっくり出来るね」
「ふーん、明日はないんだ。よく時間割覚えてるね」
「んーいや覚えてるのは数学の時間だけだよ。遅れたらやばいでしょ?」
「まぁね、今日は陽に助けられたよ。ありがと」
陽が言ってくれなかったら、完璧サボりになっていた。