「ねぇ、白君。
なんで私には霊力がないんだろう。
お兄ちゃんもあるのに。

私だってね皆の役に立ちたいんだよ?」





って、私ってば犬の白君にこんな事言っても無駄なのに。




そんな私をじーっと見る白君。
いつもは鋭くたくましい目も今だけは一緒に悲しんでいるように見えた。




「フフフ、ごめんね。変な事言って。」




『紗良様には素晴らしい霊力がありますよ。』




えっ?何今の、幻聴?
それとも…




「白君が言ったの?
…って、んなわけないか。」




大丈夫。私にだってきっとお父さんやお兄ちゃんのようにいつか霊力が覚醒するはず!