愛梨栖はそう言って笑うと制服を美利亜にあててみた。



あーでもない、こうでもないとやり、30分後。



「よしっ。これで終了。」



「なんなの?この量。」



美利亜の手には大量の紙袋。



中身はもちろん制服。



「はじめてだよ。1つの学校にこんなに制服あるの。」



「間違えちゃダメだよ。」



「こんなにたくさん覚えられないよ。」



美利亜が嘆くのも無理はない。



制服は普段用、集会用、校外行事用の3種類だが、何パターンもあり、自分でカスタマイズできるようになっていた。



「なんでこんなに別れてんの?」



「知らない。」



「これ、持って帰るの?重たい…。」



「しょうがないなぁ。半分持ってあげるよ。」



愛梨栖は美利亜の手から紙袋を半分ひったくるようにして奪うと学校を出た。



「ちょっ、ちょっと待ってよ。」



慌てて美利亜はその後を追いかけた。



「ねぇ、美利亜。」



「なぁに?」



「聞いちゃいけないかもしんないけど、なんでそんなに深くハットを被ってるの?それも顔が見えないくらい。」



「今は言えない。そのうち話すよ。たぶん…。」



そう言いながら美利亜はさらに深くハットを被った。