---数分前


コンビニから逃げ出した時、かなり走ったのか気付いたら見知らぬ場所に居た。


『何処此所…暗くなってきたし、動かない方が…いや無理。お化け怖い。私もお化けだけど。』


明るい場所を、とゆっくり歩き始めた時、奴は来た。


「おい」

ポン


『ひぎゃああああ出たあああああうわああああああ死ねええええ!!』


「…大丈夫か、主に頭。」


肩を叩かれた反射でつい奴の頬を殴り、少し落ち着いてから冒頭に至る。


――――――


状況を確認したのは良いが、この学生が人間である確証は無い。

今まで人に見つけられる所か、人間に触れる事すら無かったのだ。


足は私にも有るから判断のしようがない。正直お化けだったら死ぬ。



「…お前、どうせ死んでんだから怖がる事無いだろ。」


私が内心がくぶるしているのに気付いたのか、目の前の学生は呆れた様に腕を掴んだまま歩き出した。


『ちょ、ま…っ』


「迷ったんだろ。開けた場所まで一先ず連れてってやるから。」


…でも、悪い奴ではなさそう。

何がどうあれ、暗い所で一人は避けたいのでついて行く事にした。