9月5日。

「…あ、やっば!いつの間にか寝てもうた!目覚ましセットして寝てない!今何時や!」

飛び起きると、枕元にある時計を見た。時計は7時丁度を指している。

「あ、まだ7時か…よかった…」

誠は再び布団にドサッと仰向けに寝転んだ。

「…あ、そう言えば昨日、日記に7時に起きるって書いたなぁ。当たった…すごい偶然や。予知能力でもあったらなぁ」

そんなことを考えながら七時半までゴロゴロすると、起き上がって1階に降りた。1階では、食卓で秋子がすでにご飯を食べていた。

「誠、おはよう。今日は起きるの早いなぁ」

秋子は、階段から降りてきた誠に気づいて言った。

「うん、なんか早く目ぇ覚めてもうた」

誠はキッチンに行くと、茶色の棚の透明ガラスの扉を開けてトーストを取り出し、レンジに入れた。

「あ、ええよ、お母さんがやるよ」

秋子がイスから立ち上がりながら言った。

「ええって、ええって!あ、お母さんもトースト食べる?」

「ありがとう。でも、もうお腹いっぱいやわ」

「そっか」

誠はトーストを食べ終わると、再び自分の部屋に戻った。寝癖を手でサッと直すと、制服に着替え、いつも家を出る時間より少し早く学校に向かった。誠はいつもの道を自転車で走った。