今までの関係が崩れそうで怖い……か。


少し前までの俺には、アキラの気持ちなんてこれっぽっちも理解できなかった。


ウジウジしてねぇで、さっさと言えよって思ってたのに。


アキラの気持ちがほんの少しだけ分かってしまったのは、


俺が今、莉奈を好きになってしまったからかもしれない。



……偽りの恋人。


お互いの都合のいい時だけ恋人の振りをする。


そう切り出したのは自分なのに。


もうそんなの抜きにして、俺はあいつと……――。



「……バカバカしい」


自分自身に向けてポツリと呟くと、俺はアスファルトの上で横になり太陽の光を体中に感じながらゆっくりと目を閉じた。