「中学の時、このあたりの代表選手に選ばれたんだろ~?すげぇじゃん!!ほら、女ってスポーツできる奴が好きだったりするし。合コンではいい話のネタになるって」


「もう……バスケはやらないから」


「いやいや、そんなこと言わずにさ~。一緒に行こうぜ~!」


断る宮崎をしつこく誘い続けるアキラ。


こいつらのことは放っておこう。


俺は下を向いていた莉奈の手をグイッと引っ張った。



「家まで送る」


莉奈の家がどこかも分からないのに、勢いに任せて歩き出す。


「で、でも……――」


「いいから」


「だけど、宮崎君が……」


何だよ。宮崎の心配が先かよ……。



「俺以外の男の名前出すんじゃねぇよ」


「……――っ」


俺がそう言うと、莉奈はそれ以上何も言わず黙って俺に従った。