看護師さんが行ったあと、しばらくして私は病室を抜け出した。

病院を出ればきっと見つからない。

発作が起きればおしまい。

本当におしまい。

小児病棟のドアを開けようとした瞬間。


「なにしてんの?」


急に暗い廊下から聞こえた声。

怖くて立ちすくむ。

手が震える。


「柚希ちゃん、どこ行くの?」


非常灯の下に現れたのは研修医の先生。