「走っちゃだめ!!!」


そんな声を後ろに聞きながら、意外と走れることに感激した。

だけど、その数秒後には視界が揺らいで、目の前に床が見えた。

何度も味わっている発作の瞬間。

あっという間に大人たちに囲まれる。


「柚希ちゃん!大丈夫!?」


吐きそうに胸が苦しい。

いっそこのまま…海斗のところへ…

だけど…


「…っ、せんせい、助けて…!!!」


苦しさに耐えられなかった。

いくじなし。