ある朝のことだった。

土方さんがいつに増して眉間にしわを寄せて鬼みたいな顔をしていた。

総「土方さん。いったい鬼みたいな性格、はなくて鬼みたいな顔してどうしたんですか?」

土「うるせえよ。いやな。角屋で長州の連中がなにやら俺らについての会議を開いているという噂を聞いてな。」

総「それは少し厄介ですね。」

土「ああ、男じゃ客をだますことなんざあできねえからな。」

総「そうですね。まさか僕たちが潜入するわけにもいきませんしね。」

「簡単ですよ。」

振り向くと蝶が笑顔で立っていた。

土「なにが簡単なんだ?」

蝶「私が潜入すればいいんですよ!!」

土「なっ!!!お前なに言ってやがんだ!!!」

蝶「だって、私女の子ですから。土方さんたちが無理でも私はできるでしょう?」

土「だが・・・・」

総「正直言って僕は蝶一人だけじゃ不安だなあ。」

蝶「そんなに私頼りないの?」

哀しそうにこちらを見つめる。
頼りないのではなくほかの男に触らせたくないだけだ。

だけど僕はそれを言わない。

沙「じゃあ、二人なら頼りなくないわよね?」