「……不器用なやつ」

「大きなお世話よ!」

 あきれたように呟く、先生の横をすり抜けて外に出ようとすると。

 先生は、目をすっと細めて、わたしを後ろから抱きしめた。

「な………!
 やめ……て!」

「せっかく……こんな風に二人きりにならないように……考えたのに。
 ガキのクセに、オレの忍耐を試しに来たのか?
 それとも、さっきの続きをして欲しくなったのか……?」

「違……う!」

 わたしが、嫌だと身体をよじったのに。

 村崎先生の冷たい手が、構わず。

 制服のボタンを外して入ってくる。

 そして。

 耳にキスを……された。

「や……っ!」

 ビクビクっと……まるで。

 身体に電気が走ったみたいだった。

 村崎先生に触られるのは、嫌じやなかった。

 だけど。

 初めて。

 初めての刺激が怖くて。

 めちゃくちゃに暴れようとした……のに。

 先生の手は、びくともしなかった。

「やめ……て……」

 泣きそうな声を、先生の手が塞ぐ。

「二度目は無いと。
 今度は止まらないと言った………!」

「やぁ………っ!」