「じゃ、悪いけど、ひなちゃん、もうここから帰ってくれるかな」 ふと先輩を見上げると。 「振られたんだ。一人にさせてくれよ」 先輩は、にやりと笑ってみせた。 強がっているのがありありとわって、胸が痛んだ。 「すみません。失礼します」 深々と頭を下げて、駆け足で屋上を出た。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 心の中で何度も叫びながら。