ちゅっ


「……」


勿論、唇ではなくほっぺに。

口びるじゃなきゃ、彼等にとって意味は無いんだろうけどそんな事、私には関係ない。


「はい、じゃ、猫の姿になって部屋の外」

「……」

「おやすみ」


猫のハルを部屋の外に追い出してベッドにもぐりこんだ。

もう悪夢にうなされることは無い。

今夜もいい夢が見れそう。


『よい夢を――』


第一話【完】