「ユズハ、毛を一本頂戴」 「……せめて髪の毛とか言ってくれない?」 そういいながらユズハさんは長い髪を一本だけ抜くと永久さんに。 永久さんはそれを受け取って手のひらにある紙の鳥にそっと乗せた。 瞬間、 「えっ? あ――」 真っ白な鳥が羽ばたき始めた。 もうそれは折り紙ではなく、ユズハさんの髪と同じ真っ黒な鳥になって。 「あれについていこう」 「あたしは――」 「ユズハはいいよ」